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一流の寺院

8時にホテルを出て長崎市内にある「崇福寺」を目指す。繁華街を通り抜け、高台の少し落ち着いた場所にずっしりと存在感のある古き建物を発見。「ここだ」と確信する。門を通り過ぎると、この旅始まって以来の「拝観料」300円を支払う。

朱色の、中国を思わせるお堂からは、今まで自分が経験したことのない「和」ではない「中華」の心を感じ取る。しかし、さすがに拝観料を支払うだけあってか、境内が見事に整備されている。また、繁華街が近くにあるため、きっと公園のように酔っ払いの溜まり場になるのを防いでいるんだろう。そう考えると、この300円は決して高くはない。

また、ひとつ不思議なことがあって、こちらのご本尊の前に立った時、自然と手を合わせている自分がいた。もちろんご本尊の前での合掌は習慣になってはいるのだが、それとは違って、自然と手を合わせたくなるという、心から「ありがたい」「あたたかい」何かを感じた。この感動はめったに出会えることではないので、本当に300円で貴重な経験をさせて頂いたと思っている。

それからさらに市内を歩いて進み、続いて「興福寺」へ。こちらも拝観料300円を支払い、朱色の山門をくぐると、先ほどと同じ「中華」の空気が広がっていた。2ヶ寺続けて朱色の「中華」が続くと、どうしても「和」が恋しくなる。海外を旅行して和食が恋しくなるあの感覚と少し似ているような・・・。

朱色の建物に包まれていると、はじめは新鮮でいいが、慣れてくると何だか飽きてしまう。日本人にはやはり「和」の心がしみついているせいなんだろう。ウチは仏教で、しかも日蓮宗で良かったと再確認する。

気を取り直して旅を続ける。長崎から特急かもめに乗って鳥栖。鳥栖から乗り換えて特急つばめで熊本まで。熊本から市電に揺られて目指すは「本妙寺」へ。

ここは今回の旅で唯一の日蓮宗寺院。自然と期待も大きくなる。長い長い参道を通り過ぎると、今度は高い高い石段が続く。ハアハア言いながらようやく頂上に着くと、加藤清正を祀る立派な本殿が出迎えてくれた。こんな高い所にあるのに、参詣者がちらほらと登ってくる。ここは間違いなく地域の人にとっての「信仰」の霊場だ。

寺院とは、風景としても奇麗な場所。心が安らぐ場所。また一方では、お願い事をしに参詣をする祈願所でもあり、さらには身心を鍛え、信仰心を磨く為の修行の道場でもあるという、この三拍子を揃えるというのが、一流の寺院といえるのではないかなと、石段を下りながら自分の中で色んなことが交錯した。

気づくとすっかりと日が落ち、熊本から人吉までの各駅電車の中でぐっすりと寝てしまった。人吉駅前のあおやぎというビジネスホテルで宿を取り、ぐったりしながら3日目が終わる。

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このページは、川手正順が2009年5月11日 09:42に書いたブログ記事です。

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